◆診療報酬(患者給食自己負担反対)への取り組み
医療における管理栄養士の役割は大きく変化し、2年ごとに改定される診療報酬は「給食」から「栄養」へと移行し私達の仕事も給食室から病棟業務へと比重が増しています。
病院給食のこれまでを振り返ってみると、平成6年「家にいても食事はする」という理由で、基準給食を廃止し、入院時給食費自己負担の政策が打ち出されました。患者給食自己負担政策は病院給食の理念崩壊につながるとして、全国の医療事業部(当時 病院栄養士協議会)と呼応する形で、当会も、全力をあげて反対運動を展開しました。党派を超えて全県議会議員及び知事への請願運動を皮切りに、那覇・中部・北部の各地域で一斉に街頭署名活動を行い、一万余名の陳情書を衆議院議長に送りました。この運動は県議会のみならず3市、13町、20村で承認され、総理大臣等に自己負担反対の意見書が提出されました。この組織力を発揮した一連の請願活動はマスコミにも大きく取り上げられ、組織を挙げて行動を起こした沖縄県栄養士会は全国の栄養士会からも高い評価を受けました。
◆栄養サポートチーム研究会の取り組み
沖縄県医療事業部(当時 病院栄養士協議会)は、栄養サポートの重要性が叫ばれる以前の平成9年から全国に先駆け沖縄県栄養サポート研究会(NST研究会)を発足しました。これは、病院施設の枠をとらわれず、県内の医師、管理栄養士、薬剤師、看護師等に声掛け毎年開催し、各病院の栄養管理の取り組み状況を発表しました。その長年のNST研究会活動により全県的な医療職種の横の連携がスムーズになったと思っています。
◆研修会の特徴
離島県である、当会にとって中央の変化する医療情報がタイムリーにはいってこないという状況がありました。そこで、平成12年より2年に一度のペースで日本栄養士会理事を講師とした「診療報酬」に関する研修会を現在まで開催しています。
◆厚生労働省の慢性腎不全重症化予防研究事業への参画
沖縄県は、平成17年慢性腎不全(CKD)が原因の新規導入透析患者数が全国2位という不名誉な結果が発表されました。その対策の一つとして平成19年には、厚生労働省の慢性腎不全重症化予防研究事業(FROM-J)に参画し、5年間におよぶ研究の結果、腎不全進行予防には定期的な栄養指導の有用性が証明されました。平成26年には沖縄県の地域特性に応じたCKD重症化予防研究事業(SOFT―J)を各施設の会員の協力により、半年という短期間で進めました。
◆患者会(クローン友の会)交流活動について
患者との交流で特徴的な活動として、入院したクローン病の患者より「退院しても何を食べていいのかわからない」の声があり、平成9年よりクローン病患者会の調理実習を、各施設の患者そして各施設の栄養士も集まっていただき、年1回、現在も開催しています。患者家族も含めた調理実習は非常に好評で、沖縄の重箱料理が食べたいという要望に応えて、クローン友の会10周年記念として平成11年に発刊されたガイドブック「ゆいまーる(絆の意味)」に安心して食べることのできる重箱料理をはじめ日常食展開した数多くの料理を掲載しました。
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