専門的分野に携わる人々は、それぞれの分野で得た新しい知見や技術などについて発表し、社会に貢献する役割と義務があります。管理栄養士・栄養士は、科学的根拠に基づいた「栄養の指導」の担い手として、それぞれの分野で得た知識や技術を人々の健康維持・増進、疾病の発症・重症化予防そして治療などへ実践・応用することができる「専門職」です。
管理栄養士・栄養士が、食の専門家として、学術的な理論の追及のみならず、日々研鑽を重ねて修得した高度な専門的知識や技術を公表することは、自らのスキル向上はもちろん、「栄養の指導」におけるエビデンスの構築に貢献します。
(公社)沖縄県栄養士会主催 栄養士研究発表会(以下、栄養士研究発表会)は、上記の具現化に大きく寄与しています。
♦ 栄養士研究発表会 紹介
沖縄県栄養士会では、「栄養士の資質向上と相互の連携を図ることを目的とし、各職域での会員の役割や活動、研究の成果を発表する」との趣旨のもと、栄養士研究発表会を年に一度開催しています。
平成4年11月沖縄ヤクルトホールにおける第1回栄養士研究発表会から平成26年11月の開催で23回を数えます。23年もの長きにわたり継続開催ができましたことは、ひとえに、繁忙な日常業務にもかかわらず地道に自己研鑽を続けてこられた会員の皆様方の多大な努力・協力によるものです。
平均的開催状況は、例年8月下旬~10月、研究・発表に関する講話、7つの職域からエントリーされる一般演題数:7演題~8演題、参加者約90名前後(9割は栄養士会会員)です。栄養士による栄養士のための栄養に関する研究発表会です。各職域の相互理解・連携、会員の資質向上ならびに「栄養の指導」に関するエビデンスの構築に大いに貢献しています。
♦ 月に一度の勉強会
沖縄県栄養士会では、栄養士研究発表会での発表予定者ならびにプレゼンテーション技法の勉強に興味がある方々の自由参加による「栄養士研究発表勉強会(以下、勉強会)」を定例で開催しています。開催場所・日時は、栄養士会事務所において、毎月・第3木曜日、午後7時半~9時です。
勉強会では、「栄養の指導」に携わる専門職同士ならではの意見交換ができます。また、他職域の活動内容をじっくり勉強できることや自身の活動への応用を考えるなどの良い機会になっています。
勉強会は、各自が日常業務活動の中から「課題を見つけ、解決する手立てを考え・実験計画を立て、実践し、成果を評価・考察し、まとめ、発表する」これら一連の作業をとおして、専門職としての自身を評価することでもあり、日々の自己研鑽を積み重ねる上で、大いに役立つことと考えます。
♦ 今後に向けて
平成26年度からスタートした生涯教育制度では、認定と更新の要件に、「自己研鑽による客観的成果を重視する意味で学会・研修会等への参加・発表、パネリスト、著書などについて評価する」となっており、栄養士研究発表会には会員の皆様の自己研鑽活動に貢献する大きな役割があります。
栄養士研究発表会を更に発展させるため、現在の半日開催を一日開催へ、一般演題数を現在の8演題から20演題前後に増やし、セッションを現在の3分野から全職域の7分野に増やしたい。また、ワークショップ形式による症例検討等の内容の充実を図るなど努力を重ねることにより、現在約90名程度の参加者を200名程度まで増やすことも、会員の皆様の力を結集すれば夢ではないと考えます。
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